だから私は『人』が好き
だから私は『人』が好き
こんにちは。
コンテンツビジネス本部ディレクターグループ所属の山下です。
さぁ今年度もはじまりましたね。
みなさまはいかがお過ごしですか?
新しい環境で、新しい人と出会い、新しい日常を過ごしている方、
今やれることを全力で、悔いのないように過ごしている方、
桜も散り、芽吹き始めた景色に何か思いを馳せている方・・・
ふと街を歩いていると色んな人がいて、それぞれがそれぞれの思いで今日という日を過ごしていることを実感します。
ということで今回のタイトルは「だから私は『人』が好き」です。
この映像業界で「人」との出会いは1番の財産だと感じています。
「人」と出会えなければ、いい作品は生まれないし
「人」と出会えるから、奇跡のようなことも起こるし
「人」がいてくれるから、作品を観てもらえる。
そんな、私が出会った「人」たちとの思い出・・・
番組制作をしていて「よかった」と思った瞬間
ベスト3をご紹介したいと思います。
「君と出会ってまたテレビが好きになったよ」
これは業界1年生のADだった頃。初めての撮影許諾に挑戦した時の話です。
「お世話になっております。
私、【番組名】を制作担当しております、山下と申します。お忙しいところすみませ・・」
「あー、ごめんね。俺、君たちテレビが嫌いなんだわ」
こんなストレートに人から「嫌い」と言われたことは
これまでの人生にあっただろうか?
一瞬何が起こったかわからず
頭が真っ白になったのは今でも覚えています。
そこを取材したいと私自身が強く思っていただけに
あまりにショックな言葉でした。
話をしていくと・・・
店主さんは以前他の番組で取材を受けたときに
嫌な思いをした経験があり、こんな思いをするなら
今後は取材を受けないと決めた。とのことだった・・・。
(絶望的に思えたその関係から
私とその店主さんが仲良くなるまでのストーリーがあるのですが
ここでは割愛させてもらいますね。笑)
結果、特別に取材をさせてもらえることに。
無事撮影が終わると、店主の人がこっそり手招きして私を呼んだ。
緊張しながらも駆け寄ると、
「これ・・」と汗をかいたジュースを渡してくれました。
「そのー・・なんだ。最初は電話で悪かったね。
でも君と出会ったおかげで、またテレビが好きになったよ。
君がディレクターになる日が楽しみだなぁ」
と、最後に声をかけてくれたのでした。
「君は、そのままでいい」
少し仕事のコツもつかみ始め、自分に少し自信を持ち始めた頃。やはり出る杭は打たれるもので、鼻っぱしらを折られたときの話。
以前までは怒られたら「すみません!」と素直に言えたものの・・・
自分は自分なりに考えて行動していただけに、
「すみません。でも…!」と
語尾に一言くっつけてしまうところがありました。
これは今思うと可愛げがないですね。
遅れてやってきた反抗期ってやつだったかもしれません。
(当時の先輩方、生意気ですみませんでした。)
しかし、少しずつ気付かされるんです。
「でも!」と自分の意見を生意気に言ったからには、
絶対同じ失敗は許されませんし、何なら、
みんなの期待や想像を上回るような行動を示さないと、
誰も自分と向きあってくれない・・信頼をしてくれない・・・
誰も認めてくれない。ということに・・。
言葉とは時に残酷で、自分の想像以上の意味を持つことがあります。
私は急に怖くなりました。
みんなの期待や想像を越える成果を出し続けられる自信がなかったのです。
なんとなく・・・失敗しない程度に、平均点が取れているように、
うまく立ち回ることにシフトしようかも考えました。
そんなことを考え始めながら臨んでいた、ある番組の撮影中。
出演者の方に「ちょっといい?」と呼ばれました。
「君を生意気と言う人もいるかもしれないけど、そのままでいい。
それだけ僕の番組に真摯に向き合ってくれているんだと感じるし、
何より、もがけることが君の強いところだと僕は思っているよ。」
唐突でした。
撮影での立ち回りに迷いや戸惑いが出ていたんだと思います。
正解としてのマニュアルがないこの世界で
自分が正解と思う行動をし続けるしかないこの世界で
どんなに頑張っても、誰かが必ず褒めてくれるわけではありません。
でも、必ず誰かが見つけてくれるんだと思いました。
今もこの経験は私の支えになっていて
だから今も、もがき続けられているのだと思います。
「ありがとう」
ディレクターの肩書をもらって新しく奮闘し始めていた頃。あぁなんて自分は演出能力が足りないんだ・・と、
落ち込むことが日々の9割ですが、救われる瞬間があります。
「番組で会いに来てくれてありがとう。」
「番組がより好きになりました。」
「あなたに会えてよかった。」
撮影で訪れ、そこで出会う人たちが本当に優しいのです。
その度に、なんて日本は素敵な国だと思いますし、
なんて私は人との出会いに恵まれている人生なんだと感謝します。
そんなことを思いながら
ある番組の放送を無事終えて少し経った頃、1通の手紙が届きました。
「突然のお手紙失礼いたします。
いつも番組を家族で楽しく拝見しています。
5歳の娘と観ておりましたらエンディングで娘が
自分と同姓同名の(漢字まで全く同じ)ディレクターさんに気づきました。
娘はとても嬉しくなって手紙を書き出しました。
どうか受け取ってもらえると嬉しいです。」
こんなことはこれまで経験したことがありませんでした。
手紙をもらって嬉しくて泣いたのは人生で初めてだと思います。
これまで私と出会ってくれたみなさんに
この場を借りて改めて「ありがとう」と伝えたいです。
・・・会社の方からは就活生が観てもタメになる記事を。
と指示をもらっていたのですがこれじゃ本当にただのブログですね。どうしましょう。
・・・これが私の仕事の流儀ということでひとつ参考にしてもらえれば幸いです。
就活、面接も「出会い」です。
きっと最後に「何か質問はありますか?」と聞かれるはずです。
どんなことでも構いません。そこで必ず何か聞いてみましょう。
そうすると面接官は
「あっ、この子はうちについて意欲的に思ってくれている」と
必ずプラスに感じてくれるはずです。
どうか皆さんにもたくさんの素敵な出会いが訪れますように。
Text by
コンテンツビジネス本部
ディレクターグループ山下さん